身近な方が亡くなった直後は、悲しむ時間もないまま手続きが続きます。ここで扱うのは、亡くなってから2週間のあいだにやることです。相続の中身を決める話し合いは、この段階ではまだ始めなくて構いません。まずは期限の短いものから片づけます。
7日以内に出すもの — 死亡届
死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内に提出します(戸籍法86条)。提出先は、亡くなった方の本籍地、亡くなった場所、または届出人の住所地のいずれかの市区町村役場です。
病院で亡くなった場合、死亡診断書が死亡届と1枚の用紙になっています。左半分が死亡届、右半分が死亡診断書です。記入して窓口に出すと、火葬許可証が交付されます。葬儀社が代行してくれることが多く、実際にご遺族が窓口へ行かない場合もあります。
死亡診断書はコピーを取ってから提出してください。提出すると手元に残りません。生命保険の請求や年金の手続きで、あとから写しが必要になる場面があります。葬儀のあとに受け取れる給付の申請先と書類は葬祭費と埋葬料の申請方法を整理にまとめています。
14日以内に出すもの
次の3つは、いずれも14日が目安です。
- 世帯主の変更届。亡くなった方が世帯主で、残る世帯員が2人以上いる場合に必要です(住民基本台帳法25条)。残るのが1人だけなら、その人が自動的に世帯主になるため届出は要りません。
- 国民健康保険・後期高齢者医療の資格喪失届。保険証を返却します。会社の健康保険に入っていた場合は、勤務先が手続きをします。
- 年金の受給停止。国民年金は14日以内、厚生年金は10日以内です。手続きが遅れて年金を受け取り続けると、あとから返すことになります。
これらは同じ役場の窓口で続けて処理できることが多いので、まとめて出向くと1回で済みます。戸籍謄本や住民票は、このあと何度も使います。窓口へ行くついでに、多めに取っておくと二度手間になりません。何をどれだけ集めるかは、戸籍の集め方のページで整理しています。年金の受給停止は役場ではなく年金事務所の手続きで、期限と未支給年金の扱いは死亡後の年金受給停止はいつまでに手続きするかにまとめています。
この時期にやらなくてよいこと
急いでいる方ほど、遺産の分け方まで一気に決めようとしがちですが、この段階では必要ありません。亡くなった方が一人暮らしで、誰が何を引き受けるか迷うときは一人暮らしの死後事務は誰がやる?で担当の分け方を整理しています。
ただし、亡くなった方に借金がありそうな場合だけは別です。相続放棄には3か月という期限があり(民法915条1項)、この期間内に判断する必要があります。財産に手をつけると放棄できなくなることがあるため、心当たりがある方は相続放棄のページを先に読んでください。
また、亡くなった方の預貯金口座は、金融機関が死亡を把握した時点で凍結されます。当面の生活費や葬儀費用が心配な場合は、口座が凍結されたときのお金を確認してください。
次に何をするか
2週間分の届出が済んだら、期限のあるものを日付で確認しておくと、この先の見通しが立ちます。相続放棄の3か月、準確定申告の4か月、相続税の10か月、相続登記の3年は、それぞれ数え方の起算点が違います。何をどの順で進めるかは相続手続きの順番にまとめています。とくに相続放棄は、亡くなった日ではなく自分が相続人だと知った時から数えます。
相続の期限チェックに亡くなった日を入れると、8つの期限が実際の日付と残り日数で並びます。入力した内容はどこにも送信されません。