確定申告をしていた方が亡くなると、その年の1月1日から亡くなった日までの所得について、相続人が代わりに申告します。これを準確定申告といいます。相続の手続きのなかでは早いほうの期限で、見落とされやすいものです。
期限は4か月
準確定申告の期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です(所得税法125条)。通常の確定申告のように翌年の3月ではありません。亡くなった日の翌日から数えるのではなく、知った日の翌日から数えます。
納税が必要な場合、納付の期限も同じ4か月です。申告だけ出して納付を忘れると、延滞税がかかります。
自分の場合の期限が何月何日になるかは、相続の期限チェックに亡くなった日を入れると、ほかの期限とあわせて実際の日付で出ます。
必要になる人
亡くなった方が、その年に次のいずれかに当てはまる場合は、準確定申告が必要になります。
- 事業所得や不動産所得があった
- 給与を2か所以上から受けていた
- 給与や退職金以外の所得が一定額を超えていた
- 公的年金等の収入が一定額を超えていた
会社勤めで年末調整だけを受けていた方や、年金収入が少ない方は、申告が不要なことがあります。判断の基準は国税庁が案内しているため、当てはまるかどうかは源泉徴収票や確定申告書の控えを手元に置いて確認してください。
還付になることもある
申告が義務でない場合でも、医療費が多くかかっていた年や、年の途中で亡くなって源泉徴収された所得税が納めすぎになっている場合は、申告することで還付を受けられることがあります。亡くなる前に入院や治療が続いていたご家庭では、確認する価値があります。
誰が出すのか
相続人全員が共同で申告するのが原則です。申告書には相続人全員の氏名などを記載した付表を添えます。相続人が複数いる場合、それぞれが別々に提出することもできますが、その場合はほかの相続人へ内容を通知することになっています。
提出先は、亡くなった方の死亡時の住所地を管轄する税務署です。相続人の住所地ではありません。
相続放棄を考えている場合
相続放棄をした人は相続人ではなくなるため(民法939条)、準確定申告の義務も負いません。ただし放棄の期限は3か月、準確定申告は4か月で、放棄の判断のほうが先に来ます。順番を取り違えないでください。
放棄するかどうか迷っている段階で還付金を受け取ると、相続することを認めたとみなされる可能性があります。判断がつかない場合は、動く前に確認してください。相続放棄のページに、期限の数え方と、放棄した場合に相続権が誰へ移るかを調べられるツールがあります。
相続税とは別の手続き
準確定申告は所得税の手続きで、相続税とは別です。相続税の申告期限は10か月で、こちらは基礎控除を超える場合にだけ必要になります。両方が必要な家庭もあれば、片方だけの家庭もあります。
相続税がかかるかどうかは、相続税のページで、ご家族の構成と財産のおおよその合計から確かめられます。